以前、小規模ながら法人で代表取締役をしていた時は、経費の領収書やレシートの管理はしていましたが、その他税金関係の手続きはすべて税理士さんにお任せしていました。
フリーランスの特許翻訳者として、まだスタートも切れていませんが、個人事業主ともなれば、税金関係はすべて自分で対応しなければなりません。
走り出す前に税金や個人事業主としての何をしなければならないのかを知っておいた方がいいであろうし、走り出してからでは遅いのではないかと思い、避けては通れない個人事業主の税金について勉強しました。
フリーランスと会社員の違い
フリーランスと会社員とは何が違うのでしょうか?
会社員は会社から給与をもらい、会社が年末調整をし、給料から天引きされた税金を会社が納付し、社会保険も半分負担してくれたり、すべて会社が行ってくれます。
しかし、フリーランスはこれらをすべて自分でしなければなりません。
さらに大きな違いは、信用問題です。
信用問題とは、
- 家を貸してもらえない
- 住宅ローンが通りづらい
- クレジットカードが作りづらい
これから会社を辞めてフリーランスになろうかと検討中の人は、
その前に住む場所と、必要に応じてクレジットカードを作っておくといいのかもしれません。
領収書やレシートを集める
まず最初にすべきことは、これまでフリーランスになるために購入した物の領収書やレシートを集めることです。
たとえまだ仕事をしていなくても「開業準備費用」として確定申告に反映できます。
名刺も開業前に作って、領収書をとっておくと、いいようです。
開業届と青色申告承認申請書を税務署に提出する
開業届は基本的には開業後1カ月以内に提出することになっていますが、
この時期がたとえ過ぎていたとしても、仕事が軌道に乗っていなくても出しておくべきです。
開業届を出していなくても、確定申告をすれば開業したことにはなります。
但し、青色申告特別控除が受けられなくなると損をするので、
開業届と青色申告承認申請書はセットで出すべきです。
青色申告特別控除とは
所得税は自分で計算して税務署に確定申告しますが、この確定申告をもとに、住民税、事業税、消費税が決まります。
所得税は収入によって決まりますが、収入とは売上から経費を差し引いたものです。
経費以外に収入から差し引いてもよいのが控除になります。
控除にはおよそ15種類あり、自分が該当する控除を知っておくことが大切です。
基礎控除
配偶者控除
配偶者特別控除
扶養控除
雑損控除
医療費控除
寄付金控除
ひとり親控除
勤労学生控除
障害者控除
社会保険料控除
小規模企業共済掛金控除
生命保険料控除
地震保険料控除
寡婦控除
売上-経費-控除=課税所得
節税のためには、ちゃんと説明できる経費を増やし、控除をたくさん使うことが必要です。
確定申告の種類
確定申告には4種類あって、
白色申告 | 届出不要 | 控除0円 | 簡易簿記 | |
青色申告 | 届出必要 | 控除10万円 | 簡易簿記 | |
控除55万円 | 複式簿記 | |||
控除65万円 | 電子申告 | 複式簿記 |
電子申告には会計ソフト、マイナンバーカード、カードリーダーが必要ですが、メリットが大きいので、是非チャレンジしてみたいです。
青色電子申告のメリットは
- 赤字は3年繰り越せる
- 家族に給料を支払える
- 65万円控除
但し3/15を過ぎると来年に持ち越しになるので、期日を絶対に守ることが必要です。
その他の節税対策
ふるさと納税
控除には上限額があり、その金額は年収や家族構成によって異なります。
ふるさとチョイスというサイトで控除上限額を計算してくれます。
小規模企業共済
毎月自分でお金を積み立てて(1000円~7万円)、事業を辞める時に受け取れる仕組みです。
銀行よりも金利が高く、掛け金は全額控除できるので、節税にもなります。
経営セーフティ共済
経営セーフティ共済は、取引企業が倒産した場合、無担保、無保証人で積み立てていた掛金総額の10倍の範囲内で借り入れができる制度です。開業して1年以降
個人事業主の場合、経費に算入でき、月々5000円から20万円まで選べて、増額、減額できます。12カ月以上の掛け金を納付していれば掛金総額の80%、40カ月以上であれば解約手当金が全額受け取れます。但し12カ月未満は掛け捨てになるので注意が必要です。
まとめ
個人事業主として知っておかなければならないことを知らないと、無駄な税金を支払うことになってしまいます。使途をちゃんと説明できる経費を計上しつつ、利用可能な控除を受けて、課税所得を減らすことが大切です。これからも税金に関する法律は変わっていきますが、その都度勉強していかなければなりません。